ひぐらしが鳴くひぐらしが鳴くそもそもが 自分のものではないものを はらはらと 目の前を落ちてゆくものを一瞬の眩しいあかりが力なく揺らいで差し出しそうになる掌を 思わず押しとどめたものは 霞のように不確かな後悔と 頬に落ちた懺悔今はまだ聞きたく無かったひぐらしの 羽をこすり鳴く音に やがて迫る夕日を追い払い 我に帰るためにわたしはいくばくかの力を込めて影を踏む 詩【幻】
ひぐらしが鳴くそもそもが 自分のものではないものを はらはらと 目の前を落ちてゆくものを一瞬の眩しいあかりが力なく揺らいで差し出しそうになる掌を 思わず押しとどめたものは 霞のように不確かな後悔と 頬に落ちた懺悔今はまだ聞きたく無かったひぐらしの 羽をこすり鳴く音に やがて迫る夕日を追い払い 我に帰るためにわたしはいくばくかの力を込めて影を踏む