ガラス細工の夜の中で

ガラス細工の夜の中で


眠りの浅い夜に遠い昔の夢を見たの


いつも腕の中に抱きかかえていたお人形が ベッドから転がり落ちて 床に仰向けになったまま微笑んでいるから 寂しくて悲しくて


ひとりぼっちの部屋の中で 泣いている女の子


怯えて肩を震わせて 急いで拾い上げたお人形が まるで自分みたいに思ったから 薄青い月明かりが差し込む部屋の中で 泣いている女の子


眠りの浅い夜に見る夢は 心細いガラス細工のようね


毛布をぎゅっと掴んで離さない女の子の頬を そっと手で包み込んで 「おやすみ」


眠りの浅い夜に欲しいのは 額に落ちる震えるほど静かな唇 寝返りをうちながら今夜もまた 毛布の端を握りしめた