ブルーブラッド
ほんの束の間
近くて遥かに遠いすれ違い
ほんのりとほどこした化粧
それはいつぞやの君
誰のためにその熱を秘めていたのかと
吐息をひとつ落とす
青い煌めきが朱と交わる時
あちらこちら散り散りの楽士が弦を滑らせる
紡ぎ出す奏楽は壮大な幻想交響曲か
はたまた匂い立つ舞曲なのか
しばし足を止めれば
魅惑の饗宴に酔いしれる
その
あたかも奇跡であるかのような
艶やかな夜の饗宴に
芳しきはやがて遠のく残像に残る華
ただ与えた者には
露ほどの意図もない
ただ通り過ぎるだけの様
繰り返してきたそれは奇跡のようで
軌跡の一片
だから
だからこそ尚
美しくも儚い夢を想う