惑い堕ちる前に
希望というものはどこからやってくる?
きれいにラッピングして
さあ持っていきなさいと微笑む誰かを待ちくたびれた果てに、安いシーツにくるまるとき
かけられた魔法はたかだか数時間の眠り姫の物語
誰かが
誰かが誰かがって
さんざめくイルミネーションが束になって広がる帳の中で
空にうすぼんやり浮かぶ小石のような星つぶを装飾物だと見間違えた芳醇な夜に
漂ってループして
嘘とわかりながら笑い転げる顔に降りかかる夢すら、他人の肩にぶつかって落ちていったでしょう
希望というものはどこからやってくるのだろうか
なんて
通り過ぎたあのワンブロック前の通りの信号に躊躇したくせに まるでささくれた木枠の中の鏡に怯えるみたいに
ああそうじゃなくて
そんなもの見ないに限ると知ったかぶりするほど、出来合いの憂鬱に慣れきってしまったのかも知れない
目を覚まして行きなさいよ
仮に通りの名前が『戦場』 だったとしても だったとしても
わたしの希望は、安くない