波の音は明けない朝を洗って

波の音は明けない朝を洗って


足の下の砂が水にさらわれてゆく 波打ち際でわたしの世界は どうしてこんなに小さいのだろう ​ 恐れを美化し続けたいつまでも明けない朝 いったい何に酔った日々を繰り返していたのだろう ​ 不規則に連なる音はやがて 次の崩れる波の音を運び わたしの憂いと、儚い記憶を持ち去って行った だからわたしはここに来る ​ だからわたしは 何も求めずとも良いのだと知るために


ここに来る

 © 2017 Midori Yoshida