砂の海で眠れば

砂の海で眠れば


サラ     サラ         サラー ​ 指の隙間をすりぬける粒子 ​ 目の前に広がるものは 少し熱を持った嵐の後の砂漠

それは規則正しい波を従えた 何者をも寄せ付けないはずの 砂海 ​ あの時 手を伸ばせば星をつかめそうな 輝きを放つ摩天楼の中で どうしてわたしは笑っていたの 少し憂いを含んだ唇は 艶やかなルージュがよく似合う 軽やかなステップで 何を演じていたの ​ 周りを囲む人々は半透明だったのに ​ 乾いた嵐が過ぎた後 この砂海にあったはずの摩天楼が 消えた 指の隙間からすりぬけてゆく 全てがうつつの蜃気楼 わたしはいくばくかの喜びを秘め 砂の海に沈んだ