次の花

次の花


落ちる

雨粒を受けるたび輝きを増していた花の色が落ちて 無機質な残像を残しやがて枯れ色に変わる

咲く

固いつぼみの先端がほぐれてとりどりのらっぱがひっそりと鳴る 運んでくるものは熱する前の朝の匂い

いつからだったんだろう 足の踏み場もない雑踏の中で 何かを愛して失って それなのに平然と歩いている姿を わたし自身が冷めた目で見つめていたのは

今朝みつけた朝露をはじく懐かしい花々に 茶色くくすむ過ぎた花々に 次の季節があるのかと聞けば 答えはきっと無言 それはわたしによく似た わたしではない誰かが咲き誇り ほら、変わらずに今年もまたと 瞬間足を止めるシーンに出くわすだけ

立ち上がれなくなるまで泣いてみようか 傷みの雫の中に埋もれてそれからまた

立ってみようか