忘却
誰とここに居て 誰とこの風に吹かれたか それを覚えていよう 荒ぶる気持ちを 声なき祈りを その波間に放った日々 遠く凪いだ水平線
心のひだを写すように その姿は刻々と変わり 明日の姿は朧の夢 それでも悠々と 果てを見せずにそこにある ひさかたの ひかりを受けて語る海 この身の枷を 知ってか知らずか 今を目に焼き付けてそして忘れよう 今日と、過ぎた後の明日をも忘れよう 見つめるわたしのこころのままに 母なる海に返してみよう 誰とここに居て 誰とこの風に吹かれたか ただそれだけを覚えていよう